BFNEWS No.332 2008.3
難しい古紙偽装問題の解決
古紙原料等の混入率の偽装は、コピー用紙等の紙から印刷インキや再生プラスチック関連商品にも広がり、ついには非木材原料のバガス(サトウキビ繊維)やケナフなどの将来のエコに期待できる新型の用紙類などでも、混入率が偽装されていることが判明してきた。
将来のエコの理想像とされている、バガスやケナフ等のエコ対象の新型商品類まで偽装されるとなると、それこそ、エコのための開発商品とはなんだったのか。あれだけもてはやされて、高価ではあるが将来のために使用しているNPO法人や環境保護団体などの動きを考えても、まったくその根拠を失うことになってしまう。
製紙メーカーでは役員の辞任や報酬の減額などが伝えられ、責任が取り沙汰され始めているが、こう次から次へと新事実や情報がボロボロ出てくるようではいつまでたっても、収束はできないのではないか。ギョウザ事件の陰に隠れたかに見えたこの事件も、まだ広がりを見せているようだ。
エコマークを認可している環境省傘下の日本環境協会などではこれらの商品についてのエコマークを取り消しているが、それだけでは済まない。正しいエコとは何か。環境に優しいという言葉だけが独り歩きしていて、お互いに皆で渡れば怖くないという形式だけでは、もう通用しなくなった。
メーカーも勇気を持って、実用可能な範囲と不可能な範囲を明確に表示し始めた。ともかく正確な情報開示をしてもらうことが重要である。他社との競争もさることながら製紙業界そのものがもう信頼を失っている。壊れた信用を取り戻さないと大変なことになる。
日本製紙連合会では、各社で拠出金を出してエコの普及活動をすることと、今後の運用について、古紙割合を偽装せずに明確に表示していくことだけは決まったものの、面子をつぶされた形の環境省や経済産業省、関連団体などでは、責任の追及が中途半端のままであること、なし崩しで不充分な古紙混入率に幅寄せさせられることも考え、いわば居直った形の製紙メーカーに対して不満を持っている。
このまま行くと、グリーン購入法や関連法なども実状に合わせて手直しする必要も出てくるのだが、それこそ、公的な謝罪や責任追及を前提にしているために、うかつな結論も出せない。これではスムースには行きそうもない。
コピー用紙などグリーン購入法の適用品目も厳しくチェックされているが、何処までチェックしてもすべてリサイクル100%品が作れないことははっきりしたわけだから、高いハードルなだけに、振り上げたこぶしの降ろすタイミングとおろし方が難しくなったということができる。
一方の当事者の印刷会社はどう対処するか、印刷会社の団体の日本印刷産業連合会やその他の印刷関連団体は製紙メーカー17社や代理店等紙流通3団体、インキ工業会に対して要望書や質問書を提出、配合率乖離の商品や銘柄別の内容開示、今後の供給についての具体策、返品・交換・刷り直し等の損害費用が発生した場合の対応等について解答を求めている。目下は個別メーカーごとに対応するとの回答が寄せられている。
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ニュース
◆HP インディゴ部門過去最高の業績
ヒューレット・パッカード(米国・HP)が2007年度「Indigo部門」の業績を発表した。この発表で年間成長率が過去最高を記録し、特に第4四半期の成長率が最も高く、印刷枚数の増加傾向が堅調に推移していることも報告された。
ワールドワイドでのIndigoによる印刷枚数は、2006年度から2007年度にかけて全体で45%増加、第4四半期では前年度比46%となった。2007年度に発表した主力商品となる「HP
Indigo press5500」も寄与している。 地域ごとではアジア太平洋、日本地域がIndigo部門の中でも最高の印刷枚数の伸びを記録し、第4四半期の印刷枚数の伸び率は市場全体の成長率を上回る70%に達した。
この好調さを支えている分野としては、Indigoのコア市場である販促資料のほか、写真製品、書籍出版、ラベルおよび包装、DMなどがある。日本ではトッパンフォームズなどで新たに複数台のIndigoを投入し業績に寄与しているという。
◆三菱製紙 インクジェット用紙値上げ
三菱製紙は4月1日からインクジェット用紙の代理店向け出荷価格を引き上げる。値上げの幅は10%以上。昨年夏に1980年出荷開始以来初めての値上げを打ち出し、年末までに約8%浸透した。今回で2度目の値上げとなる。この半年間で原材料であるインクジェット用紙専用の薬品や樹脂類は約30%上がったことが大きな理由だ。キャストコート紙で、代理店から需要家への卸価格(巻き取り)で1キロ220〜240円と約20円高くなる見通しとのこと。
◆大河内紙業と林紙産業が合併
名古屋市に本社を置く中堅紙卸商の大河内紙業と林紙産業は6月1日付けで合併する。合併比率は大河内紙業6:林紙産業4。両社は3月中に開催する株主総会で正式決定する。合併会社の社長には大河内健二氏(大河内紙業)が、副社長には田中親正氏(林紙産業)が就任する。新会社の年商は、単純合算で約80億円、従業員数88名となり、紙・板紙・包装資材、産業資材などを取り扱う紙の総合商社となる。
合併により社名も「株式会社アクアス」に変更。水(Aqua)と地球(Earth)を合体した造語。主な株主:大河内健二ほか34%、日本紙パルプ商事28%、大幸14%、林産業12%、キングコーポレーション12%。
◆IDC 2007年国内PC市場
IDCジャパンは2007年通年の国内パソコン市場の実績を発表した。2007年の出荷台数は1414万台(前年比1.0%減)と2年連続で減少した。ただ、07年10〜12月期は前年比12.2%増で回復基調となった。家庭向けは546万台(同2.6%増)とわずかなプラスとなったが、ビジネス向けでは867万台(同3.1%減)とマイナス。
メーカー別では、上位10社の順位は変らず、富士通、HP、アップルが前年比プラス成長でシェアアップしている。なかでも第2位の富士通は、10〜12月期に前年同期比30.7%増と高い成長でこの期だけではシェア1位となっている。出荷台数シェア順位の上位5社はNEC(20.3%)、富士通(18.7%)、デル(14.0%)、東芝(9.0%)、日本HP(7.6%)。
◆電通調査 国内広告費4年連続で増加
電通がまとめた2007年の国内広告費は7兆191億円(前年比1.1%増)だった。今回から調査対象を拡大し、キャンペーン広告サイトの製作費やフリーペーパーなどを新たに追加。05年までさかのぼり改定値を発表した。従来調査ベースでは07年の広告費は6兆101億円(前年比0.2%増)となる。07年は世界陸上や参院選などの要因で、4年連続の前年比プラスとなったが、伸び率は06年を0.6ポイント下回った。
媒体別では好調のインターネット広告が6003億円(同24.4%増)で、この中には検索キーワードに応じて表示する検索連動型広告の1281億円(同37.8%増)や、携帯電話向けなどのモバイル広告の621億円(59.2%増)などがある。その他のマス媒体広告では、新聞広告が9462億円(同5.2%減)、テレビ広告1兆9981億円(同0.9%減)、雑誌広告4585億円(同4.0%減)だった。
◆首都圏新聞折込広告調査
読売インフォメーションサービスの「首都圏年間折込広告調査レポート 2007年ダイジェスト版」が発刊された。
2007年の1世帯1ヵ月当たりの新聞折込ちらし枚数は636.2枚(前年比12.7枚の減少)となり、前年迄過去最高出稿量を4年連続で更新していたが、2004年の640.6枚以前に戻った。内容を四半期別に見ると、1〜3月が680.0枚(前年比0.1%増)、4〜6月が628.7年(同0.6%減)、7〜9月が612.3枚(同1.9%減)、10〜12月が622.8枚(同5.4%減)と下降している。
<紙のサイズ別>B4・367.8枚(同1.3%減)・全体の割合は57.8%。B3・212.2枚(同2.2%減)・割合は33.3%。この2サイズで91.1%を占める。B2・42枚(同2.9%減)・割合6.6%。B5は10.7枚(8.3%減)・割合は1.7%。
<曜日別>土曜日40.5枚(同増減ゼロ)・割合は27.1%だった。金曜日23.9枚(同4.8%減)・割合は16.0%。日曜日20.7枚(同5.5%減)・割合13.9%。金、土、日曜日で85.1%を占める。月〜木曜日は13〜16枚と平均している。 <業種別>「小売業」271.9枚(同2.0%減)・全体の割合42.7%。内訳はスーパー65.2枚、家電・精密機器37.3枚、医薬・化粧品28.7枚、輸送機器21.1枚となっている。
次いで「サービス業」180.7枚(同2.7%減)・割合28.4%。内訳はマスコミ関連54.9枚、遊戯娯楽場が43.6枚・理美容が13.6枚。
「小売業」「サービス業」の2業種で71.1%を占め、「不動産」98.4枚、教育・教養事業42.9枚となっている。
<地区別>首都圏5地区(都内、都下、神奈川、埼玉、千葉)の平均は636.2枚(同2.0%減)。多い順に埼玉754.9枚(同1.5%減)、千葉669.8枚(同2.6%減)、都下620.0枚(同0.3%減)、神奈川585.9枚(同4.9%)、都内582.3枚(同1.0%減)と全地域で減少した。
◆アート 入退出管理に関する調査レポート
調査会社のアートはプライバシーマークを取得した企業を対象に、入退出管理に関する調査結果をまとめた。調査は2007年12月12日から14日迄の3日間、日本全国地域で、インターネット定量調査方式で実施、約300社から回答を得た。
情報流出、盗難経験などのセキュリティ被害(過去5年以内)を受けたことのある企業は約60%の企業で被害に遭っていた。特に従業員規模が大きくなる程その割合が高くなる傾向があり、従業員3001人以上で約80%を占めた。入退室管理システムの導入きっかけは情報の流出
・盗難などへの事前予防策とした企業が約70%を占めた。次いで個人情報保護法など法制度への対応などだった。入退室管理の課題は、従業員のセキュリティに対する意識が低い、入退室管理にかかるコストが高いなどが上げられる。
◆自費出版トラブル回避の契約ガイドライン
NPO法人/日本自費出版ネットワーク(代表理事・中山千夏氏)は、「自費出版契約ガイドライン(自費出版事業者が自費出版を希望する著者と自費出版契約を結ぶ際のガイドライン)」を決定した。
一部の出版社との自費出版をめぐるトラブルが社会問題化しているなか、自費出版を考えている一般著者が安心して利用できるようにする仕組みという。同ネットワーク会員や自費出版を行う事業者がガイドライン遵守を表明し、公開する。内容は遵守事業者の自費出版についての説明義務や重要書類の書面による保存義務、個人情報の保護責任義務などを細かく定めている。
「自費出版契約ガイドライン遵守事業者」の認定は、申請にもとづき毎月1回以上、NPO法人日本自費出版ネットワーク理事会、もしくは運営委員会で審査し、基本的に申請書類に不備・間違いがなければ認定される。認定業者は同ネットワークのホームページなどに公開され、業者は自在広告、ホームページ、名刺などの媒体上に表示できる。ガイドラインの遵守は個々の自費出版事業者が自らの責任において行うもので、同ネットワークはガイドライン遵守の強制や実効性の保証はなしとしている。
◆JR東・明大 スイカと一体の学生証
JR東日本と明治大学は、今秋から「スイカ定期券」と一体の学生証を発行する。スイカと一体化の身分証明は三菱電機などが社員証に採用しているが学生証では始めてという。スイカ付き学生証は明治大学の学生、教職員約3万5000人に発行する。
なお、JR東日本は25日から一般用の定期券をインターネットで申し込めるサービスを3月25日から始めると発表した。さらに、外国人向けに海外から指定席の予約ができるサイトも開設する。
◆個人情報流出事故
<日本郵政グループ・郵便局会社>
全国の特産品を通信販売する「ふるさと小包」の会員に郵送したDMで、内部に印刷された貯金口座番号が外から見えるミスをしていた。関東7県の会員あてのもので、一部の会員から同社に抗議があった。封筒に設けられた窓から中の住所、名前の上に印刷された通常貯金の口座番号が、開封せずに外から見える状態となっていた。同社の子会社が製造した窓付き封筒を使用したもの。
<高島屋百貨店>
業務委託しているギフト販売会社大和(長野県)の女性社員がMOなどが入った手提げ袋をJR横浜駅ビルのトイレに置き忘れた。MOには神奈川県民共済生活協同組合の加入者2万9人分の住所、氏名、電話番号などの個人情報が記録されていた。高島屋は女性社員がMOを持ち歩いていることを把握していなかったという。
◆ミヤコシで新型プリンタの発表会
ミヤコシでは3月5-7日まで、同社の千葉県八千代工場で、drupa2008に出品予定の新型インクジェットプリンタなどの発表会を開催した。3日間にわたって、800人を超す同社のユーザーなどが訪れた。フルカラーで分速200メートルを超す高速運転で、オフセットに匹敵する高精度の印刷を披露した。
当研究会の会員には招待状が送られたが、欠席者のために3月21日のセミナーでも概略と印刷サンプルが配布される予定である。当日実演された機種
@フルカラーインクジェットプリンタ「MJP20C」 最高分速150メートル、600x600dpi
AフルカラーインクジェットプリンタUVインキ対応「MJP20V」 最高100メートル、600x600dpi
B液体トナーフルカラー電子写真プリンタ(テストは2色実演)「MD-PRESS1260」最高分速60メートル1200x1200dpi超微粒子液体トナー使用、
Cテキスタイル用シリアルプリンタ(ワイドフォーマット)「TXP18A」 1800幅、毎時400u、600x1200dpi最高8色の布地用のインクジェットプリンタ。
◆新風舎の事業 文芸社へ譲渡
営業手法や契約条件契約条件などで大きな問題となった自費出版大手の新風舎(BF-NEWS330号記載)は事業を同社と並ぶ自費出版大手の「文芸社」に一括譲渡した。譲渡される事業には、未完成の約一千人の著作づくりも含まれる。作品の制作や流通については、今後、著者が追加負担などの条件に同意して文芸社と契約するか、同意できない場合は作品の返却を受けることになるという。新風舎は破産手続に入る予定。
◆エム・ピー・エス 特別清算開始決定
エム・ピー・エス(資本金8500万円、東京・多摩市、清算人清水邦敏氏)は、東京地裁八王子支部より特別清算開始決定を2月18日に受けた。
創業は1964年(昭和39年)3月、1975年(昭和50年)11月に「マイプリント」の商号で法人改組、年賀状、結婚式の招待状などの印刷を主力に96年4月期には年売上高175億2100万円を計上した。婚礼の減少、海外ウェディングの流行などの影響で、業績が悪化、営業権と一般の債権債務を新会社に移管する企業再生スキームを実施。社名を2004年12月に現商号に変更し、2007年12月27日開催の株主総会で解散を決議していた。
なお、事業は別会社のマイプリント(2004年9月設立、代表松橋徹氏、資本金1億円、従業員369名)が継承、運営している。(帝国データバンク)
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新製品・新技術
◆富士通 新情報コードの実証実験
富士通はこのほど、イラスト画像などに埋め込まれた新情報コードを、カメラ付き携帯電話で読み取って、ウェブサイトに簡単にアクセスできるコード表示方式の実証実験を実施した。新しいコードは富士通研究所が開発した「FPコード」で、ポスターなどのイラスト内にそれとわからないように情報コードを埋め込む方式で、本来のデザインを損ねない特長がある。QRコードなどの既存の2次元コードを使いにくい印刷物などでの利用を想定している。
実験は東京都と国土交通省の主催で東京・銀座の建物、街灯の柱などに、「FPコード」を160枚取り付けて実施した。2週間程の実験期間を経て実用化に向けて準備をするという。周辺店舗の情報提供やスタンプラリーなどに活用できる。将来は色々な属性に合わせた販促情報の提供なども考えている。
◆コダック 大容量ドキュメントスキャナー
コダックは高速読み取りと高画質のドキュメントスキャナー「コダック イノベーション
スキャナー@780」を発売した。 「@780」は最高毎分130枚(両面で260イメージ、A4横送り)処理でき、厚さや大きさが異なる書類も一度に処理できる。コントラストの調整や書類の文字の方向を自動補正し、「白黒」「グレースケール」「カラー」の出力を選択でき、「白黒とカラー」または「白黒とグレースケール」などの2種類のイメージを同時出力できる。解像度は300dpi。
また、スキャンした原案に日付や連続番号を印字できるインプリンタを装備。スキャン後の原本の追跡や読み飛ばしの確認ができる。機器の耐久性を高め、1日に1万枚以上の大量書類を集中処理できるようにした。
価格は760万円。
◆キヤノン 高速業務用ドキュメントスキャナ
キヤノンマーケティングジャパンはカラー・モノクロともに毎分100枚の高速スキャンが可能の、業務用スキャナ「imageFOMULA
DR-X10C」をこのほど発売した。DR-X10Cは同社として最高速の最上位機種となる。新開発の高速画像処理チップの搭載などで読み取り速度を向上させ、両面原稿なら毎分200ページ読み取れる。
本機には業界初のダストフリースキャニング機構を採用して、大量に書類を読み込む際にセンサー部に付着する紙粉を除去・回避してスキャン画像の劣化を防げる。また、重なって給紙された原稿を検知する超音波センサーを3個搭載し、原稿の分離性能を5段階で制御する機能で、給紙が難しかった薄紙や厚紙も確実に搬送する。万一重複した原稿が搬送されても、逆搬送して自動的に3回再給紙するリトライ機能を搭載し、搬送性能が一段と向上した。
価格は188万円。(税別)
◆凸版印刷ほか ICホログラム開発
凸版印刷と日立製作所、日立化成工業は共同で、ホログラムとICチップ一体化した「ICホログラム」を開発した。新製品は凸版印刷が製造する「クリスタグラム」に日立製作所製の0.4ミリのICチップ「ミューチップ」を組み込んだもの。ミューチップのトレーサビリティー機能など書き換え不能なID情報に加えクリスタグラムの目視での真がん確認など、ラベル1枚で製品の管理と偽造などの不正の防止ができる。
製品の大きな特徴はホログラムのアルミ部分をミューチップのアンテナとして活用したことで、ホロのデザイン性とチップの受信性能を確認できた。想定価格は1枚50円。2010年度には月産1000枚以上として30円を切るという。また、ミューチップ用のハンディリーダーは数社で開発中で、1万円を切る製品を投入する予定。
◆オプトウェア デジタルデータでホログラム画像
情報システムのオプトウェア(神奈川県横浜市)は豊橋技術科学大学と共同で開発したホログラム記録技術を応用して、画像が浮き上がって立体的に見える印刷物を作製する技術を開発した。
通常のホログラム作成に必要な大規模な装置が不要で、従来できなかった三次元デジタルデータからの立体画像の再現が可能となった。極めて微小な点に鏡の働きをさせる独自な手法を使う。微小な点の直径は数ナノ(ナノは10億分の1)メートル。個々の点の光の屈折率を微妙に変化させることで反射光が干渉、表面から5ミリほどのところに像を結び、これが集合して立体画像となる。
作製工程は透明シートなどに感光性の特殊ポリマーを塗布。レーザー光で立体映像となるよう調整した画像の一部を直径0.5ミリの大きさでポリマーに照射。ポリマーはそのレーザーを受けて、それぞれの点ごとに特定の色を反射するようになる。1メートル四方の印刷にかかる時間は約30分後。3次元CADや同CTスキャンなどのデータをもとに印刷できる。特許も日本、欧米、ロシアなどで取得した。ホログラムは制振装置付きの暗室や複数のレーザー光源を照射して撮影するなど設備が必要だが、この新技術はデジタルデータを活用するため、ホログラム制作のような設備は不用だ。通信機メーカーなどと共同で今夏までに印刷装置を製品化する。
◆共同印刷 最小クラスの非接触ICカード
共同印刷は従来のクレジットカード型ICカードの約40%大の非接触型ICカードを発売した。
カード内部のアンテナの配線パターンを見直し、通信距離や記憶容量などは従来品と同等の機能を保ちながら、従来品比約40%(表面積)の小型化が実現した。署名の記入パネルやホログラムなどの偽造防止にも対応する。寸法は縦32ミリ、横59ミリ、厚さは0.8ミリ。
価格は1万枚製造の場合で1枚900円前後を予定。
◆ヤマトHD クロネコDカード
ヤマトホールディングスは新サービスとして返信用の郵便はがきを組み込んだ厚紙1枚のDMの制作
・配送サービス「返信はがき付きクロネコDカード」を始めた。クロネコDカードは、同社がドイツポストと共同出資で設立したDM子会社のヤマトダイアログ&メディアが手掛ける。
A4判1枚の厚紙にDMの送り先住所や商品広告、返信はがきを印刷したもので、メール便として配送する。受け取った消費者
は返信はがきに申し込む商品などを記入し、切り取って返信する。また、消費者が返信はがきに銀行口座などの個人情報を記入する場合、外部から見れないようにする「目隠しシール」を備えたものも用意するという。厚紙1枚のDMは封筒にチラシを入れる場合に比べて作業が簡単で、消費者は開封の必要がなく、目にとまる確率が高いとしている。1回5000部から引き受け、料金は1部75円から。
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